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笑えるけど笑っていられない中文解釈の違い(拒絶理由通知書の例)

中国の審査官が一体何を指摘しており、どう対応すれば良いのか?
これがよくわかっていないと、こんな笑い話になります。

(例)AはBを含む、BはCを含むとはどんな意味ですか?
「どういう意味と言われても、AはBを含んでいるのですが・・・」と、困惑しますよね。
「Bを備えるA」という意味で、「Bを含むA」という日本語表現が使われることがあります。
中国人翻訳者が「含む」という単語を中国語に翻訳する場合、中国では「含む」ということは「隠れている」状態と同じ意味を持ちますので、「含む」という単語だけを見て「隠れている」の意味をも併せ持つ「隠含」に翻訳する場合があります。そして、「Bを含むA」が「A隠含B」と翻訳されて、出願していたとします。
すると、審査官から「AはBを含む、BはCを含むとはどんな意味ですか?」という審査意見が来ることになります。
そして、「私は何も隠していないから、そう伝えて欲しい!!」ということになります。これではお互いが噛み合うことはないです。

[警告]
中国語の拒絶理由通知書を日本語に訳すことは、相応のスキルが必要です。一般の翻訳者では、どうしても日本語の表現が不適切となります。不適切な訳文を日本の担当者が見ても、中国審査官の真意を理解することはできません。審査官が求めている内容は、拒絶理由通知書の中国語原文の正確な和訳を確認して判断する必要があります。

※さらに悲惨なケースでは・・・
中国の現地事務所が、自らの誤訳に起因した拒絶理由であることを隠蔽するために、都合の悪い部分には一切触れずに翻訳・コメントを送りつけてくる悪質なケースもあるようです(笑)