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中国弁理士
王礼華先生からのアドバイス

【中国語特許翻訳の重要性】

中日経済交流の増大に伴い、知的財産をめぐる法的トラブルが増加するのは必然である。このような状況において、中国に進出した又は進出しようとしている日本企業としても中国で知的財産保護を求めることは、企業経営においても重要なことである。近年、日本企業の中国特許出願が激増中である。言うまでもない、中国特許出願の目的は企業の知的財産権を保護するためである。

北京市高級人民法院の発行した「特許権侵害判断の若干の問題に対する意見(試行)」において、発明特許権保護範囲について、「権利請求(クレーム)の内容を基準とする」、「明細書及び添付図面はクレームの解釈に用いることができる」、「特許の保護範囲を確定する場合、国家の権利付与機関が最終的に公告したクレーム本文又は既に法的効力が生じた復審決定、取消決定、無効決定で確定したクレームの本文を基準としなければならない」という内容が記載されている。即ち、特許権侵害判断時、中国語クレーム本文が判断基準となる。
従って、特許翻訳が正しいかどうか、非常に重要なことであると言えよう。

【中国特許翻訳の現状】

日本企業が中国特許出願をする際、中国語明細書の基礎となるものは、通常二つの種類がある。

一つは英語原稿、例えばUS出願用の英語原稿で、もう一つは日本語明細書である。英語原稿の場合、担当できる弁理士が多いが、二重翻訳(日本語→英語→中国語)となるなので、誤訳確率が高い。そのうえ、日本語から直訳の特許英語となっているため意味不明の文章が多い。更には中国特許制度及び明細書の書き方はアメリカ、EP諸国と差異がある。英語原稿をそのままで出願すると、間違えた内容になるかもしれない。

一方、日本語明細書の場合、担当できる弁理士が圧倒的に少ないことは現実である。また、中国現地事務所の処理案件が急増しているため、日本語の特許出願明細書の翻訳を外注に出している場合が多い。さらに、特許技術においては、新しい技術用語がどんどん出ているが、技術用語辞典にも載っていないことが少なくない。しかし、その明細書の内容について、中国現地事務所から日本のクライアントに問い合わせがくることなどは殆ど無い。
前記の原因で中国語明細書に誤訳などの翻訳問題が頻発することは必然である。

【日本企業の留意事項】

筆者の日常実務経験からその留意事項を提言する。

  • 前記説明のように、英語原稿は二重翻訳などの原因で誤訳確率が高い。やむを得ない場合、英語原稿のほか、参考として対応日本語明細書も提供した方が良い。
  • 通常、現地代理人は、提供された原稿に基づき中国語明細を作成する。それで、基礎としての日本語明細書の質が良いかどうか、非常に重要である。従って、まず、日本語明細書を論理的に記述して翻訳者が理解できるように「論理力」をアップさせる必要がある。
  • 前記説明のように、特許権侵害判断時は中国語クレームが判断基準となるので、重要な特許出願については、現地事務所が作成した中国語明細書を提出する前に、そのクレームの内容をチェックした方がいい。
  • 中国特許出願をする際、現地事務所にその出願の翻訳者、担当弁理士等の情報を明記してもらう。これにより、担当弁理士に責任感を与え、質の向上を図れる可能性がある。
  • 新しい技術用語については、定義をしたり、英語を付けたりした方が、より正確に翻訳されやすい。
  • 前記説明のように、日本語のできる弁理士が非常に不足しているので、優先権期限等の間近になって依頼すると、スケジュール調整が難しく誤訳確率が高まる。依頼する際は、時間的に余裕をもった方がいい。