記事・コラム

記事・コラム

家庭用風力発電機、あるいは電気メーター逆回し

家庭用風力発電機、あるいは電気メーター逆回し

さすがにイギリスは論理的に対策を講じてきているようだ。
今日のキーワードは、ホーム・ウインド・タービン(Home Wind Turbines)。

家庭用の風力発電と聞くと、端午の節句に上げる鯉幟の竿の先端でカラカラ回る風車(かざぐるま)が目に浮かんでくるが、エネルギー危機を受けて、ごく近いうちに、各家庭の屋根の上やマンションの屋上で回る風車、という光景があたりまえになるのかも知れない。少なくとも英国は本気のようである。

A mini-wind turbine

generating electricity

could soon become

the homeowner’s latest fashion accessory ?

especially when

people

realize

it could turn their meter backwards.

— The Guardian, May 3, 2005— 以下同じ—

電気を起こすミニ風力タービンが近いうちに家の持ち主にとっての最新の流行アクセサリーになるかもしれない、特に、電力メーターを巻き戻すことができると、人々が気が付いたときに。

*英語の勉強(1):上段の「could」は予想、すなわち不確定事項を表すために使われています。
*(2)下段の「could」は「realize」を受けて、まだ現実に生じていない仮定を表すために使われています。
*(3)「realize」の後ろに「that」が省略されています.小説や新聞記事では省略されている場合の方が一般的です。ただし、各種の仕様書では省かないこと。

電力メーターを巻き戻す、とは、法律で承認されるのはまだこれからのようだが、自分の家での電力消費が余ったときに、電力会社にその余りの分を売って(電線を家庭から逆流させて)、その分を電力会社の請求書から差し引くやり方を述べている。

With potential sales in the millions,

manufacturers

have developed

a series of designs

to appeal to the discerning

who both want to cut their electricity bills

and feel good about helping the planet.

販売台数の潜在性が何百万ということで、
メーカーは
一連の製品を開発してきており、
(それは)
電気請求額を少なくすることと
地球を助けているとの満足感の両方を求めている
意識の高い人々に
アピールしようとしての(ものである)。

*英語の勉強(4)「discern」は難しい単語です.辞書には以下のように説明されています:
see or understand clearly through sense or mental powers
類義の言葉として:distinguish, recognize
つまり、感覚や頭でぱっと物事を把握する働きを表すときに使われるようです。
上の文章では、そのように、経済的に社会的に理解力が高く意識が高い(人々)という意味で使われています。ここでは、構造上はもちろん名詞ですが、後ろに「people」が省略されていると判断すればもともとは形容詞として存在していることになります。

半蔵門にある英国大使館に翻る大きなユニオン・ジャックを三宅坂から見ることができる。近いうちに、この旗竿の先で大きな風車が回り、大使館の電力を賄っている風景を見ることになるかも知れぬ。

(05.9.29 篠原泰正)